「暴れる気候」とその影響、メカニズム、対策について実証的に考察するには、膨大な分析や発掘、計算などの手間が必要です。なぜなら、気候が暴れる時代においては状況が時々刻々と激しく変化するため、その様子を逐一追跡しなくてはならない(長時間の平均値を得るだけでは意味をなさない)からです。徐々に進行する変化を分析するよりも、何十倍もの手間がかかります。そのような詳細な分析に耐える地点や試料を見つけることも、それだけの膨大な作業に意味を見出して実行できる人を集めることも、それだけの計算機リソースを占有することも、普通は非常に困難です。しかし、今回の領域研究では、そのすべてが奇跡的に一つの輪の中に集まっています。
私たちは意義のある研究を、実際にやり切るだけの材料と方法論、メンバー、そして機会を手に入れました。あとは全力で、この5年間を駆け抜けるだけです。「暴れる気候」は、人類社会を根底からおびやかす可能性のある脅威です。この領域研究が有意義であることには自信を持っています。どうか私たちのプロジェクトを期待と共に見守っていただけますよう、メンバーを代表して心よりお願い申し上げます。