水月湖など既存の年縞試料を分析することで、陸域における災害(山火事や洪水など)の発生パターンと頻度を復元する研究を公募する(年縞試料は提供する)。災害が人類史におよぼした影響を正しく評価するには、数年〜数十年といった「人間の時間スケール」を検出できるほどのデータ密度が必要だが、あえて挑戦する意欲を持った応募を期待する。
水月湖の年縞堆積物などに記録された気候変動や、火山災害などのデータを活用し、旧石器時代から弥生時代のいずれかの時期において、環境変動と人類活動の相関の有無を検証する、考古学的な研究を公募する。特に、最終氷期最寒冷期、後氷期の急激な温暖化、縄文海進以後の寒冷化と、人類活動との関係の解明に意欲をもった研究を期待する。
暴れる気候」という視点をマヤ地域だけでなくメソアメリカの他の地域にも拡大して、考古学、歴史学、文化人類学に関連する研究を公募する。発掘調査など、大きな経費を必要とする研究については年度あたり300万円、それ以外については年度あたり200万円を応募上限とする。メソアメリカにおける考古学、公共考古学、環境考古学、動物考古学、考古科学、植民地時代や近現代に関する歴史学、現代の先住民族文化に関する文化人類学を中心として、通時的な環境文明史研究に資する研究課題を期待する。
①気候が「暴れる」時代が再来したときの、防災減災対策や土地利用政策のあり方に関する政策科学的分析を通して、「暴れる気候」への適応策を社会実装する可能性を検討する研究、②「暴れる気候」がもたらす水災害リスクに対する、一般市民や行政担当者などのリスク認識の分析を通して、適応の取組みや避難行動などの人間の心理的基盤を検討する研究、③「暴れる気候」がもたらす農林水産業分野あるいは健康分野への影響の予測評価と、それに対する適応の可能性を検討する研究を公募する。これらのさまざまな視点から「暴れる気候」の影響と適応について研究し、計画研究やほかの公募研究と連携して、社会に積極的に提言を発出していく研究課題を期待する。